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パラメータ
| 入力 | デフォルト | 意味 |
|---|---|---|
InpWindowSize (WS) | 20 | 集計ウィンドウの長さ。論文 Fig.2 の A0 用設定 |
InpWindowVisibility (WV) | 40 | 後方可視性の最大遡及距離 |
InpOverbought | 70 | 買われすぎライン |
InpOversold | 30 | 売られすぎライン |
InpShowA1 | true | A1(インパルスモード)を重ねて表示 |
論文の Fig.2 では「A0 は WS=20/WV=40、A1 は WS=15/WV=100」と別パラで描かれています。長期構造を拾う A1 は WV を伸ばすのがコツ。
論文のバックテストでは WS, WV ともに 10〜200 の範囲で 30 日窓で毎週ローリング最適化(walk-forward)しています。固定推奨値はありません。
A0 と A1 が何を示しているか
両方とも 0〜100 の値ですが、何の比率を取っているかが違います。
A0(青・太線): トレンド持続性フィルタ
式: A0 = 100 − 100 / (1 + (rS + rN) / 2)
- rS = 上昇幅の合計 ÷ 下降幅の合計(振幅の比)
- rN = 上昇回数 ÷ 下降回数(頻度の比)
- これを 平均 で結合
意味するもの
- 振幅と頻度の両方で上が優勢かを見る
- 「大きく上がる」かつ「上昇回数が多い」 → A0 高い
- 「大きく上がるが回数は少ない」 → 振幅は強いが頻度が弱い → A0 中位
- → 構造のあるトレンドかどうかを測る指標
実戦での見え方
- 継続上昇トレンド: A0 が 60〜80 で横ばいに張り付く
- レンジ相場: A0 が 50 付近で細かく上下
- 押し目: 一時的に 30〜40 まで落ちて、また 60〜70 に戻る
A1(オレンジ・細線): インパルス/レジーム変化検出
式: A1 = 100 − 100 / (1 + rS / rN)
- rS/rN = 振幅比 ÷ 頻度比 = 1回あたりの平均的な値幅の偏り
意味するもの
- 「少ない動きで大きく動いたか」を見る
- 上昇が「1回だけ大きく動いた」 → rS は大きいが rN は控えめ → A1 が跳ねる
- 上昇が「コツコツ何度も」 → rS と rN がバランス → A1 は中位
- → インパルス・ブレイクアウトの検出器
実戦での見え方
- ブレイクアウト直後: A1 が 80〜90 にスパイク
- その後のトレンド継続: A1 は 60〜70 に下がるが A0 は高止まり
- フェイクアウト: A1 だけ跳ねて A0 は 50 付近のまま → ダマシ
2本セットで読むのが本来の使い方
| A0 | A1 | チャート状況 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 70+ で安定 | 50〜70 | 上昇トレンド継続中 | 順張り |
| 50付近 | 80+ スパイク | 単発の急騰 | フェイクアウト警戒 |
| 30→50 上昇 | 80+ | 底打ちブレイクアウト | 買い好機 |
| 70+ | 90+ | 上昇加速 | トレンド転換 or バブル |
| 50付近で停滞 | 50付近で停滞 | レンジ | 様子見 |
一番のポイント
A0 だけ見ても普通の RSI と大差ありません。 A1 と組み合わせて初めて「今の上昇は本物か、ダマシか」が見えてきます。
- A0 = 「トレンドの質」(構造があるか)
- A1 = 「トレンドの瞬発力」(インパルスがあるか)
両方高い → 強いトレンド、片方だけ高い → 注意、両方 50 付近 → 動かない、と覚えると実戦で使いやすいです。
エントリー目安(論文の最適化レンジから)
- 買い検討: A0 が 20〜35 を下から上にクロス
- 売り検討: A0 が 70〜95 を上から下にクロス
- 論文では「M1・M5・M30 の全時間足で同時に閾値を割る」のがトリガー
SL/TP は論文では「直近 N 本のローソク高さの中央値 × 係数 Z」で動的に設定(N, Z はバックテストで最適化)。
論文のバックテスト結果(参考)
2024〜2025 年の 503 営業日、初期資金 USD 10,000、1 取引 USD 1,000 固定、レバ 1:100。
| 銘柄 | 総利益 | Sharpe | 最大DD | 取引数/日 |
|---|---|---|---|---|
| DJI30 | $146,000 | 3.6 | 18% | 3.5 |
| EUR/USD | $69,000 | 2.55 | 12% | 3.3 |
| XAU/USD | $125,000 | 3.20 | 10% | 4.8 |
合計 USD 340,000(1 日平均 USD 676)。3 銘柄合計で USD 10,000 → USD 350,000 にまで増えた計算になります。
計算アルゴリズム(論文の式そのまま)
各時刻 t について:
- ウィンドウ内の各 j(j ∈ {t−WS+1, …, t})に対して、
- j より過去 WV 本以内の i のうち、j から後方可視な点を最大 WS 個まで集める
- 各 i について Δpi = pi − pi−1 を計算
- 上昇分の合計 S+、下降分の合計 S−、それぞれの個数 N+、N− を集計
- rS = S+/S−、rN = N+/N− を計算
- A0 = (rS + rN) / 2、A1 = rS / rN
- VGRSI = 100 − 100 / (1 + rA) で 0〜100 にスケーリング
「後方可視」とは: 2 点 (i, pi) と (j, pj) の間の全ての中間点 pk が、(i, pi)-(j, pj) を結ぶ直線より厳密に下にあること。
ライセンス
論文の VGRSI 指標自体は原著者 Rafał Rak 氏のオリジナル概念(論文中で “all rights reserved” 表明あり)。本実装は学術的検証目的のリファレンス実装です。商用利用は原著者に確認してください。
参考
- 論文: https://arxiv.org/abs/2605.01300
- 著者: Rafał Rak (University of Rzeszow, Poland)
- 投稿日: 2026年5月2日